【完全ガイド】ヤグルマギクの種取り|来年も美しい花を咲かせる採取時期・方法・保存のコツ

草花
ヤグルマギクから種をとろう

青やピンク、白の可憐な花が風に揺れるヤグルマギク(矢車菊、コーンフラワー、セントーレア)。春から初夏にかけてお庭を彩ってくれる人気の草花です。丈夫で育てやすく、初心者でも挑戦しやすいのが魅力ですが、その楽しみは1年限りと思っていませんか?

実は、ヤグルマギクは種を採取して翌年も咲かせることがとても簡単なんです。一度育てれば、翌年からは種を買わずに済み、経済的。何より、自分で育てた花から命を繋いでいくガーデニングの醍醐味を味わえます。

この記事では、誰でも失敗しないヤグルマギクの種取りの「時期の見極め方」から「具体的な手順」「正しい保存方法」までを、写真を交えながら徹底解説します。

なぜおすすめ?ヤグルマギクの種取りをするメリット

「わざわざ種を取らなくても…」と思う方もいるかもしれませんが、ヤグルマギクの種取りにはたくさんのメリットがあります。

  • 経済的:一度苗や種を購入すれば、翌年以降は種代がかかりません。
  • たくさん増やせる:一つの花からでもたくさんの種が採れるため、翌年はもっと広い範囲で花を楽しめます。
  • おすそ分けできる:採れた種を小分けにして、ご友人やご近所さんにおすそ分けするのも素敵です。
  • 愛着が深まる:植物のライフサイクルに触れることで、ガーデニングがもっと楽しくなり、植物への愛着も一層深まります。

こぼれ種でもよく増えるヤグルマギクですが、確実に好きな場所に咲かせるためには、自分で種を採って管理するのが一番です。

最重要!種取りのベストタイミングと見極めのサイン

ヤグルマギクの種取りで最も重要なのが「収穫のタイミング」です。早すぎると種が未熟で発芽せず、遅すぎると種が自然にこぼれ落ちてしまいます。

ベストタイミングを見極めるサインは、花びらが枯れ落ちた後の「ガク」の部分にあります。

  • OKのサイン:花が終わった後、緑色だったガクが薄茶色・枯れ草色になっってくると乾燥し、が大きく開きます。これが収穫の合図です。触るとカサカサと音がするくらいが理想です。
  • NGのサイン:まだ緑色が残っていたり、触って湿り気を感じたりする場合は、種がまだ熟していません。焦らず、じっくり待ちましょう。

梅雨時期と重なるため、雨が続く場合は軒下などに移動させて乾燥を待つか、雨の合間を縫って収穫しましょう。

[ここに茶色く枯れた種袋(がく)の画像を挿入]

(キャプション:このくらい全体が茶色く乾燥したら収穫のサインです)

準備するもの

特別な道具は必要ありません。お家にあるもので手軽に始められます。

  • ハサミ:花茎をカットするために使います。
  • 新聞紙やトレー:種を乾燥させたり、取り出したりする際に下に敷くと後片付けが楽です。
  • 紙袋や封筒:収穫した花がらを入れる用。湿気がこもらない紙製がおすすめです。

初心者でも簡単!ヤグルマギク種取りの4ステップ

準備が整ったら、さっそく種を収穫していきましょう。

ステップ1:花がらを収穫する

タイミングを見計らって、乾燥した花がらをハサミでカットします。ガクの部分だけでなく、少し茎を残してカットすると作業がしやすいです。カットした花がらは、用意したトレーなどにそっと入れます。強く振ると種がこぼれてしまうので注意してください。

ステップ2:種を取り出す

新聞紙やトレーの上で、乾燥した花がらを逆さにし、指で優しくほぐすように揉んでみましょう。もしくは、ガクの部分を指でパカっと割るように開きます。

すると中から、先端にフサフサの毛がついた、筆のような形をした種がたくさん出てきます。この毛は、風に乗って遠くへ飛んでいくためのものです。

[ここにヤグルマギクの種の画像を挿入]

(キャプション:まるでバドミントンの羽根のような可愛らしい形をしています)

ステップ3:種を乾燥させる(追熟)

取り出した種を、新聞紙やトレーの上に広げます。このまま雨の当たらない、風通しの良い日陰で数日間〜1週間ほど置いて、さらにしっかりと乾燥させましょう。この工程が、カビを防ぎ、種の保存性を高める上で非常に重要です。

ステップ4:ゴミを取り除く

乾燥が終わったら、種と一緒に出てきた花びらのカスやホコリなどのゴミを丁寧に取り除きます。ピンセットを使ったり、軽く息を吹きかけたりすると、ゴミだけを飛ばすことができます。

来年まで安心!採取した種の保存方法

せっかく採った種も、保存方法を間違えると発芽率が落ちてしまいます。正しい方法で保管しましょう。

1.  保存容器:湿気を嫌うため、紙の封筒お茶パックなど、通気性の良い袋に入れます。

2.  ラベリング:封筒には必ず「ヤグルマギク」「2025年6月採取」のように、植物名と採取した年月日を書いておきましょう。これを忘れると、何の種か分からなくなってしまいます。

3.  保管場所冷蔵庫の野菜室など、涼しくて暗く、温度変化の少ない場所が最適です。乾燥剤(シリカゲルなど)を一緒に入れておくと、より良い状態で保存できます。ちなみに、私が住む暖地地方では種まき時期は9~10月になります。エアコンの効いた室内での管理でも問題なく発芽しています。

まとめ:来年に向けて命をつなごう

ヤグルマギクの種取りは、驚くほど簡単で、ガーデニングの楽しみを何倍にも広げてくれる作業です。

  • タイミング:花が終わって、ガクがカサカサと乾燥し、茶色くなって開いたら。
  • 方法:収穫して、ほぐして種を取り出し、しっかり乾燥させる。
  • 保存:紙封筒に入れて、涼しい暗所で保管する。

この3つのポイントさえ押さえれば、初心者の方でも失敗なく種を来年につなぐことができます。ヤグルマギクの種まきは、秋(9月〜11月)がおすすめです。自分で採った種から芽が出て、再び美しい花を咲かせた時の感動は格別です。ぜひ、今年のヤグルマギクから種を採って、来年の春の準備を始めてみませんか?

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最後までお読み下さりありがとうございました。

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