【初心者さん必見】ローズゼラニウムの切り戻しはなぜ必要?「もったいない!」から卒業する剪定のコツ

切り戻した花つきの枝を花瓶に挿して有効活用している。 草花
ローズゼラニウムを切り戻そう!

大切に育てている植物がぐんぐん大きくなってくると、嬉しい反面、こんな言葉を耳にしませんか?「そろそろ切り戻しの時期ですね」と。
ガーデニングを始めたばかりの頃の私は、正直こう思っていました。

「え、なんで?せっかくこんなに大きく育ったのに、切っちゃうなんてもったいない!なんだかかわいそう…」

でも、実はこの「切り戻し」、植物にとって来年も元気に、そしてもっと美しく楽しむために欠かせない、とても大切な「愛情表現」なんです。

この記事では、かつての私と同じように「もったいない!」と感じている初心者さんに向けて、

  • なぜ切り戻しが必要なの?
  • いつ、どうやって切ればいいの?
  • 切り戻しをすると、どんないいことがあるの?

といった疑問を、ローズゼラニウムを例に、一つひとつ丁寧に解説していきます。

ローズゼラニウムの切り戻し、しないとどうなる?

そもそも、なぜ「切り戻し」という作業が必要なのでしょうか。まずは、もし切り戻しをしないで育て続けると、ローズゼラニウムがどんな姿になってしまうかを見ていきましょう。

1. ひょろひょろと頼りない姿に(徒長)

植物は太陽の光を求めて上へ上へと伸びる性質があります。特にローズゼラニウムは生育旺盛なので、放っておくと枝ばかりが間延びして、ひょろひょろとした頼りない姿になってしまいます。これを「徒長(とちょう)」と呼びます。

2. 株元がスカスカの「木質化」

上へ伸びることにエネルギーを使うため、株元の古い茎はだんだん葉を落とし、茶色く硬い「木質化(もくしつか)」という状態になります。こうなると、下の方はスカスカで寂しい見た目になり、新しい芽も出にくくなってしまいます。

3. 風通しが悪くなり病害虫の原因に

枝葉が伸び放題で混み合ってくると、株の内側の風通しが悪くなります。特に梅雨時期などの湿気が多い季節には、蒸れが原因で灰色かび病などの病気にかかりやすくなったり、アブラムシなどの隠れ家になったりするリスクが高まります。

「なんだか最近、うちのローズゼラニウムの元気がないな…」と感じる原因は、このあたりにあるのかもしれません。

切り戻しはメリットだらけ!株が若返る3つの魔法

「もったいない」と思っていた切り戻しが、実はたくさんのメリットをもたらしてくれる魔法のような作業だと知ったら、どうでしょう?切り戻しをすることで得られる、嬉しい効果を3つご紹介します。

1. こんもり美しい樹形になる

切り戻しの最大のメリットは、脇芽の成長が促されることです。メインの茎を切ることで、今まで眠っていた節々から新しい芽(脇芽)がたくさん出てきます。その結果、枝数が増え、葉が茂り、こんもりとバランスの取れた美しい樹形に生まれ変わるのです。

2. 夏越し・冬越しがしやすくなる

日本の厳しい夏や冬は、植物にとって大きなストレスです。切り戻しをして株のサイズをコンパクトにしておくことで、余計なエネルギー消費を抑え、株本体に体力を温存させることができます。これにより、厳しい季節を乗り越える力がつき、来シーズンも元気な姿を見せてくれます。特に、夏の蒸れ対策として、切り戻しは非常に効果的です。

3. 来シーズンの花付きが良くなる

多くの植物は、その年に新しく伸びた若い枝に花を咲かせます。切り戻しによって新しい枝がたくさん出るということは、それだけ花を咲かせる場所が増えるということ。思い切って切ることが、翌年のたくさんの花につながるのです。

 ローズゼラニウム切り戻しの最適な時期とタイミング

では、具体的にいつ作業をすればいいのでしょうか。ローズゼラニウムの切り戻しに最適な時期は、本格的な夏が来る前の6月中旬~7月中旬です。近年の猛暑を考慮すると早めがいいかもしれません

生育期なので、切った後の回復が早く、すぐに新しい芽が出てきます。また、梅雨の湿気による蒸れを防ぎ、風通しを良くして夏越しに備えるという意味でも、絶好のタイミングです。花が一通り咲き終わった頃を目安にしましょう。

【実践ガイド】初心者でも簡単!ローズゼラニウムの切り戻し手順

いよいよ実践です!ポイントさえ押さえれば、決して難しい作業ではありません。

準備するもの

  • 清潔な剪定バサミ:病気がうつらないよう、アルコールなどで消毒しておくと安心です。
  • 手袋
  • 水を入れた容器(挿し木をする場合)

切り戻しの手順

1.  全体の姿を観察する

切り戻しをせず徒長し、バランスの崩れたローズゼラニウム

    まずは少し離れて、株全体の形をよく観察します。「どのくらいの高さにしたいか」「どんな形に整えたいか」をイメージしましょう。

2.  内向きの枝や枯れ枝を整理

    まず、不要なものを取り除きます。株の内側に向かって伸びている枝や、混み合っている部分の枝、枯れている枝などを根元から切り落とします。これで株全体の風通しが格段に良くなります。

思い切ってカット!

    基本的には、全体の高さの半分~1/3程度まで、思い切って切り戻します。「え、そんなに!?」と思うかもしれませんが、大丈夫。この勇気が、こんもりとした株を作ります。

切り戻し後、半分程度の大きさになったローズゼラニウム。

4.  「節の少し上」で切るのがコツ

    切る場所は、葉の付け根や、葉が落ちた跡にあるポチっとした膨らみ()の、5mm〜1cmほど上を狙います。この節から新しい脇芽が出てくるので、ここを意識するのが最大のポイントです。

切り戻す場所に、赤い線で目印をつけてある。

例えば、この枝だと古い枝(オレンジの矢印の方向に伸びている)の下の方に新しい枝(青い矢印の方向に伸びている)が分かれている場合、古い枝を赤い印の箇所で切るといいです。新しい枝に成長を切り替えていくイメージです。

切り戻し後の管理

水やりは控えめに

切り戻しをすると、葉っぱの量がグッと減ります。
植物は葉から水分を蒸発させる(蒸散)ので、葉が減った分、お水を吸い上げる力も弱まります。今までと同じ感覚で水をあげてしまうと、土がずっと湿ったままになり、根が呼吸できなくなる「根腐れ」の原因になってしまいます。土の表面が乾いてから水やりをする、基本どおりのお世話しましょう。

 肥料(追肥)は焦らず、ゆっくり

切り戻し直後のローズゼラニウムは、例えるなら手術を終えたばかりの患者さんのようなもの。追肥は切り戻しから2〜3週間後、体調が回復したら薄めた液体肥料を与えましょう。
私がよく使っている液体肥料はこちらから購入できます。

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置き場所

鉢で管理している場合は、強い日差しが当たらないところに移動してあげましょう。ゼラニウムは湿気が苦手な性質もあるので、切り口が完全に乾くまで雨が当たらないところに置くのもオススメです。

 切った枝は捨てないで!「挿し木」で増やすお楽しみ

切り戻しで出たたくさんの枝、これを「もったいない」で終わらせないのがガーデニングの醍醐味です!元気な枝を選んで「挿し木」に挑戦してみましょう。

1.  切った枝を10cmほどの長さに整えます。水揚げが悪い新芽と、土に埋まる下葉を落とします。残した葉の面積が大きい場合は下画像のように葉を半分に切ってもいいですよ。節から根が出るので、下の方に節が残るようにします。切り口は斜めにしておくと、植物が給水しやすいので成功率が上がります。

ローズゼラニウムの剪定枝を10cmにカットして、挿し木用に整えた様子。

2.  コップの水に1〜2時間ほどつけて水を吸わせます(水揚げ)。

3. 新しい土(または微塵や病原菌のない古い土)を入れたポットに挿し、土が乾かないように管理します。節がしっかり土の中に入るようにするのがポイントです。

ローズゼラニウムの剪定枝をポリポットの土に挿している様子。

4.  2〜3週間ほどで根が出て、新しい株になります。

こうして増やした株を友人にプレゼントするのも素敵ですよね。「もったいない」が「嬉しいおすそ分け」に変わる瞬間です。

まとめ

いかがでしたか?

「もったいない」「かわいそう」と感じていた切り戻しが、ローズゼラニウムをより元気に、美しく育てるための大切な作業であることが、お分かりいただけたでしょうか。

最初はハサミを入れるのに勇気がいるかもしれません。でも、その一手が、あなたのローズゼラニウムを何年も楽しむための秘訣になります。

まずは伸びすぎた一本の枝からでも構いません。ぜひ、愛情を込めてハサミを入れ、株が生まれ変わっていく様子を観察してみてください。きっと、ガーデニングの新しい楽しさが発見できるはずですよ。

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