この記事では、春から増えるナメクジの食害対策として、スラゴという環境負荷の少ない薬剤について解説します。
春先に増える食害
食害の犯人捜し
私がガーデニングを始めたときに、最初にぶつかった問題が、気づくと花びらがなくなっているというものでした。
何かの虫が食べているのかと思って探してみたけれど見当たらす。
ネットで調べてみるとどうやら犯人はナメクジのようでした。
ナメクジは、夜行性のため日中はあまり見当たりません。
もし、花びらがかじられているのを見つけたら、鉢を持ち上げて裏を見てみてください。
ナメクジが隠れているかもしれません。
もう一つ、犯人がナメクジだと確定する要素として、キラキラした這った跡が残っていることです。
葉っぱや鉢周りのコンクリートを観察してみてください。
私が、育てた中で食害にあったのは、ビオラ、バーベナの花びら、イチゴの実です。
ほかにも、ペチュニア、ヒマワリ、マリーゴールドなどの草花や、キャベツ、レタス、小松菜などの野菜類まで多くの植物で食害がみられるようです。
ナメクジの繁殖力
ナメクジは暖かくなりはじめた春先に卵から孵化します。
特徴的なのは、ナメクジは1匹がオスとメスの両方の生殖器官を持つ雌雄同体です。
つまり、オスとかメスとか関係なく2つの個体があれば繁殖できます。
さらに一度に約20~60個の卵を産み、1年間には10回前後繰り返します。
考えると恐ろしい数になりますね。
よくある対策はハードルが高い
ネット上では
・夜に割りばしで一匹ずつ捕殺する
・ビールやジュース、バナナでトラップを仕掛ける
・コーヒー薄めた液をスプレーしたり、コーヒーかすを撒く
のような駆除方法も紹介されていますが、ヌメヌメしたのをつまんだり、トラップにかかったものをどうするか、など想像しただけで倒れてしまいそうです…
ずぼらな私にはコーヒー液を毎回作るのも手間に思えてしまいます。
コーヒーかすを撒く方法も紹介されていますが、コーヒーかすそのまま撒くと成長を阻害する可能性がありますので注意が必要です。
そこで、ずぼらで虫嫌いの私が使っているのは「スラゴ」です。
スラゴとは
基本情報
スラゴとは、日本農薬株式会社や三井化学アグロなどが販売している園芸殺虫剤です。
薬剤自体の大きさは米粒より小さいですが、水色の粒剤で撒いた量を把握しやすくなっています。
有効成分:リン酸第二鉄水和物
作用性:内臓器官に生理的変化を起こし、数日で死亡する
有効年限:5年

スラゴのメリット
ナメクジに触ることなく駆除できる
スラゴは、食害から守りたい植物の周りにパラパラとまくだけでOKです。
苦手なヌメヌメ動いている姿を捕まえたり、お亡くなりになった姿など見たりすることもなく駆除できます。
環境への影響が少ない
有効成分のリン酸第二鉄水和物は自然界に存在する鉄とリン酸から構成されているため、環境への負荷が低いと考えられています。土壌中で鉄とリン酸に分解されるため、残留性も低いです。
ペットや子供がいる家庭でも比較的安心して使用できますね。
安全性が高い
スラゴは有機農法への使用も認められています。詳しくはこちら。
特別栽培農産物においても使用回数をカウントされない農薬です。
収穫直前まで使え、家庭でも神経質にならずに使用できるのが助かります。
スラゴの使い方
スラゴの使い方は非常に簡単です。
植物にかからないように、周りにパラパラと撒くだけです。
私の使用した感覚ですと、3号ポットに5粒程度で十分に感じました。
企業公式の注意点に加えて、私が使用した経験から注意してほしい点を2つ。
1.雨の日の前には撒かない
スラゴは特殊な技術により、耐水性に優れた作りになっています。
とはいえ、長く雨に当たるとふやけてしまいます。
せっかく撒くのであれば晴れた日に撒き、効果が発揮できる期間を長くしたいですね。
2.継続して使用する
ナメクジは先述したように、頻回に産卵します。
卵が残っていれば、また発生してしまいます。
一旦いなくなったから安心してしまわないようにしましょう。
粒剤の様子を見て、崩れてしまっているようなら追加で撒くようにしています。
あわせて行いたい予防策
スラゴの使用と合わせて、そもそもナメクジを発生させないという予防策も大切です。
除草、掃除
ナメクジはとにかくジメジメしたところが好きです。
枯れ葉や雑草を取り除き、ナメクジの隠れ場所を少しでも減らしましょう。
プランターや鉢を直置きしない
毎日のように水やりするプランター、その鉢底はかっこうの住処です。
フラワースタンドやレンガを使って通気性を確保しましょう。
プランターラックを利用して、物理的にナメクジが上ってこれないようにするのも効果的です。
ラックはメッシュ状になっているものが通気性もよくおススメです。
この記事を書く前に、買ってきたアリッサムの植え替えをしたのですが、翌日に鉢を持ち上げるとナメクジを発見。
すぐに対策しました。
鉢の下に敷いたのは、猫除けのとげとげシート。
とげとげ面を下に向けると安定しますので、その上に鉢を置くだけで通気性が確保できます。
エアコンの室外機カバーの上にプランター類を置くときも、猫除けシートで簡単に対策できますよ。

最後に
今回はナメクジ対策に有効なスラゴについて解説しました。
ローメンテナンス派、虫苦手の私にとって、ナメクジ対策はこれ一択と言っていいほどにオススメのアイテムです。
大事に育ててきたお花や野菜、食害される前に適切な対策を行ってぜひ守ってあげてくださいね。
あなたのお庭がきれいで健やかなお花や野菜でいっぱいになりますように。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。
参考サイト・資料
日本農薬株式会社
アース製薬
住友化学園芸
有機農産物の日本農林規格で使用が認められている農薬
有機農産物の日本農林規格で使用が認められている農薬
GERRNJAPAN
マイナビ農業
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