【ビオラの種まき実践録】猛暑を避けた9月まきでも年内開花へ。低温処理と二層式用土がカギ!

庭づくり

今回のブログは、以前ご紹介した「ビオラの種まき理論」の実践報告となります。

「種から育てるのは憧れるけれど、管理が難しそう」
「せっかく芽が出ても、残暑で枯らしてしまう」

そんなガーデナーの悩みを解決すべく、私は以前の記事で、近年の気候変動に対応した「新しい種まきのメソッド」をご提案しました。初めてこの記事を読まれる方のために、まずはその要点を振り返りを。私が実践したのは、以下の3つのコツと、大きなスケジュールの変更です。

【前回のおさらい】失敗しないビオラの種まき・3つのメソッド

前回の記事では、発芽のばらつきや追肥の手間といった「管理のストレス」を、植物の性質を利用して解決する方法を提案しました。

  1. 発芽を揃える「種子の低温処理」
    • 種を冷蔵庫に入れて「冬」を擬似体験させ、発芽スイッチを一斉に入れる方法。これにより、ダラダラと続く発芽のばらつきを防ぎます。
  2. 手間をなくす「二層式用土」
    • 上層は「種まき用土」、下層は「肥料入り培養土」の二層構造にする方法。根が伸びると自動的に肥料に届くため、難しい液肥管理が不要になります。
  3. 空調管理と「時期の変更」
    • 発芽まではエアコンの効いた室内で管理。そして何より、近年の猛暑・残暑を考慮し、例年8月に行う種まきをあえて「9月上旬」まで遅らせるという決断をしました。

今回の記事では、この仮説に基づき、実際に9月からスタートした育苗の記録をお届けします。
「1ヶ月遅らせても年内に咲くのか?」という不安と、「無理のない管理」への期待。その結果は、予想以上に植物のたくましさを感じるものとなりました。

前回の記事はこちら
【パンジー・ビオラの種まき】発芽しない、管理が大変… その悩みを解決する3つのコツ

検証①:9月まきと「低温処理」で発芽はどう変わったか

まず検証したのは、スタートの段階である「発芽」についてです。
ビオラの発芽適温は15〜20℃。残暑厳しい9月上旬、そのまま土にまいては高温で発芽不良を起こすリスクがあります。そこで実践したのが「低温処理」です。

種は1週間前から、冷蔵庫の野菜室へ保管。種に寒さを経験させてから、9月上旬に先述の「二層式用土」にしたセルトレイにまきました。

結果:10日で芽が出揃う

効果はてきめんでした。今回はごく一部に2〜3日の遅れが見られた程度。播種から10日後には、ほぼ全てのセルでかわいい芽が出揃いました。前回の記事で課題として挙げていた「発芽のばらつきによる管理のジレンマ」(早く出た芽は屋外の光が欲しいが、まだの種は室内の涼しい環境がいいという問題)は、この方法で解消することがました。トレイ全体を同じタイミングで日光浴へと移行できたことは、管理のストレスを大幅に減らしてくれました。

検証②:「二層式用土」は追肥の手間を解消できたか

続いての検証は、育苗期間中の管理についてです。
小さなセルトレイ(育苗容器)で育てる際、最も気を使うのが水やりと肥料のタイミングです。特に肥料は、早すぎれば肥料焼けを起こし、遅れれば成長が止まってしまいます。

そこで試みたのが、自然の根の動きを利用した「二層式用土」システムです。
セルトレイの下半分に肥料入りの培養土を、上半分に無菌の種まき用土を入れる。たったこれだけの工夫ですが、植物の成長に合わせた「自動追肥」が可能になると考えました。

結果:1ヶ月間の「放任管理」でがっしりとした苗へ

「二層式用土」でがっしりと育つ苗

このシステムは、私の期待以上の働きをしてくれました。
発芽直後のデリケートな時期は、上層の清潔な土で安全に。そして本葉が展開し、栄養が必要になる頃には、根が自ら下層の培養土へと到達し、養分を吸収し始めました。

結果として、約1ヶ月間、液体肥料による追肥は一度も行いませんでした。
水やりだけで、セルトレイのまましっかりとした幼苗へと成長してくれたのです。

もちろん、すべてが順調だったわけではありません。中には競争に負け、徒長して消えてしまった苗もありました。
二層式用土という環境の中で、自らの力で根を伸ばし、栄養を掴み取れた苗だけが生き残る。そうして選抜された苗は、ポット上げの際に見事な根鉢(ねばち)を作っていました。
また、過去に種まき用土だけで育てていた苗はポット上げの際、しおれてお亡くなりになってしまう苗が多かったのですが、二層式用土でしっかり育った苗は、ポット上げという環境の変化にも耐え、スクスクと育ってくれました。

検証③:気候変動への適応。「9月まき」の是非

最後に、今回の最大のテーマである「種まき時期の変更」についてです。

これまでの常識では「年内に花を楽しむなら8月まき」が定石でした。しかし、昨今の異常なまでの残暑は、涼しい室内育ちの苗にはあまりに過酷です。
「枯らしてしまうくらいなら、開花が遅れても健全に育てたい」
そう考えて踏み切った9月に入ってからの種まき。

11月下旬、現在の様子

ポット上げ後、つぼみをつけ始める苗

あれから2ヶ月半。
ポット上げされた苗たちは、秋の穏やかな日差しを浴びて順調に葉を広げています。懸念していた成長の遅れも、「二層式用土」システムのおかげか、例年と遜色のないスピードで進みました。

そして今、株の中心を覗き込むと、小さな「つぼみ」が確認できるようになりました。
当初の「冬になる前に開花できるか?」という不安に対する答えは、「イエス」となりそうです。

無理に8月にまいて、室内管理でひょろひょろ徒長苗にしてしまうよりも、屋内外の気温差が激しくない9月にまく。その方が、植物にとっても、そして見守る人間にとっても、はるかに健やかであることを実感しました。

追記:記事を公開した直後(11月23日)開花しました。

白いビオラの開花したばかりの様子。
今年の春、白のビオラから採れた種から白の花が咲きました。

まとめ:循環する庭仕事のなかで

今回のビオラの種まき実践を通して改めて感じたのは、「植物の性格を知り、環境を整えること」の大切さです。

  • 低温処理で、植物の体内時計を整える。
  • 二層式用土で、根が伸びる力を利用する。
  • 時期をずらし、今の気候に寄り添う。

これらはすべて、人間が細かく管理するのではなく、植物が本来持っている力を引き出すための「黒子」のような工夫です。
過保護にするのではなく、必要な環境だけを用意して、あとは植物自身の生命力と自然の淘汰に委ねる。そうして残った苗は、きっとこれからの冬の寒さにも負けず、春まで庭を彩ってくれることでしょう。

「9月まき」と「二層式用土」。
もし、種まきにハードルの高さを感じている方がいらっしゃれば、ぜひ来シーズンはこの方法を試してみてください。皆様の無理のない庭づくりの一助となれば幸いです。

最後までお読み下さりありがとうございました。


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