【庭の守り神】カマキリだけじゃない!ガーデニングの味方「益虫」を知って減農薬の庭づくり

イチゴの葉の上に小さなカマキリの赤ちゃんが乗っている 草花
庭の益虫を紹介します

ガーデニングをしていると、避けて通れないのが「害虫」の問題ですよね。大切に育てている植物が食べられているのを見ると、つい「なんとかしなくては!」と焦ってしまいます。

でも、ちょっと待ってください!農薬に頼る前に、あなたの庭には頼りになる「小さな守り神」がいるかもしれません。

先日、庭パトしていると、イチゴの葉っぱの上に、2cm小さな小さなカマキリの赤ちゃんを発見!
心の中で「やったー♪」と喜びました。
なぜかというとカマキリは、実は「益虫」の代表格。私たち人間が害虫と呼ぶ虫たちを食べてくれる、ありがたい存在だからです。

この記事では、

  • ガーデニングにおける益虫の重要性
  • カマキリをはじめとする、庭の代表的な益虫たち
  • そして、そんな益虫たちをあなたの庭に招き入れるための環境作りのコツ

について、たっぷりとご紹介していきます。
自然の力を借りて、農薬に頼らない、人にも植物にも優しい庭づくりのヒントに!

トップ画像以外に虫の画像はありませんので、安心してご覧ください。

益虫って何?なぜ私たちの庭に必要なの?

まず「益虫」とは、私たち人間にとって有益な働きをしてくれる虫たちの総称です。ガーデニングにおいては、主に「害虫を捕食・寄生する」「植物の受粉を助ける」といった役割を担ってくれる虫を指します。

なぜ益虫が大切なのでしょうか?

1.  農薬に頼らない自然な害虫対策

特定の害虫を狙って作られた農薬もありますが、多くの農薬は害虫だけでなく、益虫まで殺してしまいます。益虫がいなくなると、害虫の天敵がいなくなるため、かえって害虫が大発生する悪循環に陥ることも。益虫の力を借りることで、植物も人も安心して過ごせる庭を育むことができます。

2.  生態系のバランスを保つ

    私たちの庭も、小さな生態系です。益虫が害虫を食べ、その益虫を別の生き物が食べる…という食物連鎖が機能することで、特定の虫だけが異常に増えることを防ぎ、健全なバランスが保たれます。

3.  持続可能なガーデニングの実現

    益虫は、一度庭に住み着けば、自ら繁殖し、半永久的に害虫対策をしてくれます。これは、毎年農薬を買ったり散布したりする手間とコストを省き、持続可能なガーデニングに繋がります。

庭の虫を「害虫」と一括りにせず、それぞれの役割を知ることが、ガーデニングの新しい扉を開く鍵となります。

庭の守り神たち!代表的な益虫を知ろう

それでは、あなたの庭で活躍してくれるであろう、代表的な益虫たちをご紹介しましょう。

1. 敏腕ハンターの代名詞【カマキリ】

冒頭でご紹介したカマキリは、まさに「庭の掃除屋さん」です。幼虫時はアブラムシやダニを捕食してくれます。成虫になるとバッタ、カメムシなど、様々な害虫を捕食します。動作はゆっくりに見えますが、獲物を見つけると一瞬で捕らえるその姿はまさにハンター。

冬になると枯れ枝などに卵のう(泡のような塊)を産み付け、春になるとたくさんの赤ちゃんカマキリが孵化します。もし見つけても、どうか温かく見守ってあげてくださいね。彼らはあなたの庭の強力な味方になってくれます。

2. アブラムシ退治のスペシャリスト【テントウムシ】

赤い体に黒い斑点が特徴的なテントウムシは、アブラムシの天敵として非常に有名です。幼虫字もアブラムシを捕食しますが、成虫になると1日に百匹のアブラムシを捕食すると言われています。

幼虫は害虫っぽい見た目をしていて、思わず捕殺しそうになります。画像を付けない代わりに、文章で説明しますと、黒い体にオレンジ色の点模様が少し入っていて、米粒のような細長い姿です。

3. 見た目で判断しないで!【ハナアブ】

見た目はハチに似ていますが、刺すことはありません。成虫は花の蜜や花粉を食べ、植物の受粉を助けます。幼虫はテントウムシと同じようにアブラムシを捕食する種類もいます。

4. 隠れた働き者【クモ】

クモは、網を張って様々な害虫を捕獲したり、徘徊して地表の害虫を捕食したりします。私たちの身近な場所に潜む、まさに「隠れた庭の守り神」です。彼らの巣を壊さず、そっと見守ってあげるようにしましょう。アシダカグモはゴキブリを捕食してくれます。(個人的にはどちらも苦手です。)

5. 土を豊かにする【ミミズやワラジムシ】

直接害虫を食べるわけではありませんが、土壌の健康を保つことで間接的に植物を強くし、病害虫への抵抗力を高める「土壌益虫」もいます。

  • ミミズ:土を食べ、フンとして排泄することで、土壌を肥沃にし、通気性や水はけを良くします。
  • ワラジムシ:枯れ葉や腐った植物を分解し、土に戻す「分解者」としての役割があります。ただし、似た見た目のダンゴムシは若い苗や柔らかい葉を食べることもあるので、害虫扱いされることも。しかし、基本的には益虫として庭の掃除をしてくれます。

6. 虫ではないけれど【トカゲ】

トカゲは、ゴキブリ、バッタ、アブラムシ、ダニなど、様々な害虫を駆除してくれます。
我が家ではグレコマやミントなどのシソ科の植物を植えて広がった年にバッタが大発生したことがありました。バッタを一匹一匹駆除することもできず放置していましたが、翌年からは徐々に減っていきました。トカゲが捕食してくれたおかげで生態系のバランスが保たれたのではないかと考えています。

余談ですが、そういうトカゲも侵入してきた野良猫に捕食されたりもしています…。

益虫を庭に呼ぶための環境作り5つのポイント

せっかくの益虫たちも、彼らが快適に過ごせる環境がなければ、なかなか庭に定着してくれません。益虫たちに「ここに住みたい!」と思わせるためのポイントをご紹介します。

1.  多様な植物を植える

    益虫のエサとなる花蜜や花粉を提供する植物(マリーゴールド、ナスタチウム、カモミール、コスモス、カレンデュラなど)を植えることで、彼らを呼び寄せることができます。また、茂みは隠れ家や産卵場所にもなります。

2.  農薬・殺虫剤の使用を控える

    これは最も重要なポイントです。益虫も農薬によって死んでしまいます。どうしても使用が必要な場合は、部分的に、または天然由来のものを選ぶなど、できるだけ影響の少ない方法を選びましょう。

どうしても使いたい時、私は、こちらのベニカナチュラルスプレーを使用しています。スプレー式で必要な箇所だけ狙えますし、野菜でも収穫直前まで使え、使用回数の制限もありません。

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4.  落ち葉や枯れ枝を少し残す

    庭の隅に、落ち葉や枯れ枝を置いたりする場所を作ることで、益虫たちの冬越しの場所や隠れ家になります。私は景観を保持するためと、家の中への侵入を防ぐため、庭の目立たない隅(ブロック塀と庭木の間)枯れ枝を並べて(押し込んで笑)います。
これは、トカゲの住処としてとても有効でした。

5.  土を健康に保つ

    堆肥などで土壌改良を行い、元気な土を作ることは、植物を強くするだけでなく、土壌益虫も増やし、結果的に病害虫に強い庭を作ります。化成肥料も必要になる場面もありますが、ぼかし肥料などの有機肥料も加えることも有効です。

まとめ:自然の力を借りて、持続可能なガーデニングを

カマキリの赤ちゃんとの出会いから始まった今回の益虫の話。いかがでしたでしょうか?

私たちの庭は、私たち人間だけでなく、実に多様な生き物たちが暮らす場所です。彼らの中には、害虫から植物を守ってくれる、頼もしい「益虫」がたくさんいます。

【益虫を招く庭作りのポイント】

  • 庭の虫をひとくくりにせず、益虫の役割を知る
  • 農薬を控えることで、益虫を守り、彼らが活躍できる場を作る。
  • 多様な植物を植え、隠れ家を用意するなど、益虫が暮らしやすい環境を整える。

自然の摂理を理解し、その力を借りることで、農薬に頼らずとも健康で美しい庭を育むことができます。そして何より、様々な生き物たちの営みを間近で観察できる喜びは、ガーデニングの醍醐味の一つになるはずです。

ぜひ、あなたの庭の小さな守り神たちに目を向け、共生するガーデニングを楽しんでみてくださいね!

最後までお読み下さりありがとうございました。

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