「よし、かわいいお花をお家で育ててみよう!」
初めてそう思ったのは、私がガーデニングを本格的に始めるうんと前のことでした。園芸店で見た、色とりどりの花が咲き誇る苗に一目惚れして、ウキウキ気分で家に持ち帰ったのを覚えています。
「これでうちも、お花のある素敵な暮らしになるぞ~!」
ところが、私の期待とは裏腹に、せっかく植えた花は、数週間、あるいは数ヶ月で元気なく枯れてしまいました。「なんでだろう?水やりもちゃんしてるのに…」「私、植物を育てるセンスないな…」と、何度もがっかりしたものです。
あなたも、そんな風に「なぜかうちの植物はすぐ枯れちゃう…」と悩んだ経験、ありませんか?
実は、枯れてしまったのは、あなたのせいじゃないかもしれません。もしかしたら、その植物の「生き方」を知らなかっただけ、という可能性があるんです。
この記事では、ガーデニング超初心者だった頃の私が知りたかった、「一年草」「宿根草」「多年草」という、植物選びの超基本を、分かりやすく解説していきます。この違いを知れば、あなたの植物選びはもっと楽しく、そして失敗しないガーデニングライフが待っていますよ!
「なぜかすぐ枯れちゃう…」ガーデニング初心者の私がぶつかった壁
私がガーデニングに憧れを抱き始めた頃、園芸店に並ぶ可愛い花々を見ては、「これを買えば、ずっとうちの庭を彩ってくれるんだ!」と信じて疑いませんでした。
パンジー、マリーゴールド、日々草…。どれも鮮やかで、見ているだけで心が浮き立つようなお花たち。いくつか苗を買い求め、初めての鉢植えに挑戦したんです。毎日の水やりも欠かさず、日当たりの良い場所に置いて、それはもう大切にお世話しました。
でも、しばらくすると、花は咲き終わって、やがて葉も枯れ始め、しなしな…。そんな経験を何度か繰り返すうちに、すっかり自信をなくしてしまったんです。
でも今思えば、それは私のせいではありませんでした。ただ、植物たちの「寿命」や「生き方」について、全く知識がなかっただけだったんです。
植物選びの超基本!「一年草」「宿根草」「多年草」ってなに?
さて、ここが今回の記事の核となる部分です。
ガーデニング超初心者さんにまず知ってほしいのが、植物の生き方を表す「一年草」「宿根草」「多年草」という3つのカテゴリーです。
「うわ、なんか難しそう…」と思うかもしれませんね。でも大丈夫!まずはざっくりと、この3つの違いを理解するだけで、あなたの植物選びの失敗はぐっと減ります。
簡単に言うと、これは「その植物が何年生きるのか?」という、植物の寿命や生育サイクルを表す言葉なんです。見た目は同じように可愛い花でも、彼らの生き方は全く違います。この違いを知ることで、あなたは植物たちとより良い関係を築けるようになるでしょう。
一年草ってどんな植物?「一期一会」の美しさを楽しむ
まずは、私が「買ったらずっと咲く」と勘違いしていた(笑)一年草(いちねんそう)から見ていきましょう。
定義
一年草とは、種から芽が出て、花を咲かせ、種を残し、そして一年以内に一生を終える植物のこと。つまり、植え付けてから次の冬が来るまでには枯れてしまう、まさに「一期一会」のお花たちです。
代表的な植物
パンジー、ビオラ、インパチェンス、マリーゴールド、ペチュニア、サルビア、日々草、コスモス、朝顔など、皆さんが園芸店でよく見かけるカラフルな花の多くが一年草です。

一年草のメリット
- 季節ごとに違う花を楽しめる:春にはパンジー、夏には日々草、秋にはコスモス…と、シーズンごとに全く違う表情の庭や鉢植えを作れます。
- 発色が鮮やかで、花期が長いものが多い: 決められた寿命の中で最大限に咲き誇ろうとするため、非常に華やかで、次々に花を咲かせてくれます。
- 寄せ植えやレイアウトの変更がしやすい: 毎年入れ替える前提なので、気軽に模様替えが楽しめます。
一年草のデメリット
- 毎年植え替えが必要: 枯れたら終わりなので、新しい苗を買ってきて、毎年植え替える手間とコストがかかります。
- 冬には完全に枯れてしまう: 寂しいですが、冬には地上部が完全に消えてしまいます。
そうなんです、私が「なんでうちの植物はすぐ枯れるんだろう?」と悩んでいたのは、ほとんどがこの一年草たちだったんです。彼らはちゃんと役割を終えて、次の世代に命を繋いでいたんですね。知らなかった私がお恥ずかしいです泣。
宿根草・多年草ってどんな植物?「来年もまた会える!」喜びを味わう
次に、一度植えれば何年も楽しめる、ガーデナーの強い味方、宿根草(しゅっこんそう)と多年草(たねんそう)についてです。
定義
宿根草や多年草は、数年以上生き続ける植物を指します。
厳密には、宿根草は冬になると地上部(茎や葉)は枯れてなくなりますが、根や球根は土の中で生きていて、春になるとまた新しい芽を出すタイプ。
一方、多年草は一年中地上部が残っているタイプを指すことが多いです。
しかし、園芸の世界ではこの二つはほぼ同じ意味で使われることが多く、そこまで厳密な区別を気にしすぎる必要はありません。「何年も楽しめる花」くらいの認識で大丈夫です。
代表的な植物
ギボウシ、クリスマスローズ、ラベンダー、アジサイ、オダマキ、チューリップ(球根)、イチゴ、バラ(木本性)など、非常に多様な植物があります。

宿根草・多年草のメリット
- 一度植えれば毎年楽しめる:毎年苗を買い替える手間やコストがかかりません。株が育つにつれて、より見ごたえのある姿になります。
- 株が大きく育ち、見ごたえが出る:時間をかけてじっくりと成長し、庭のメインになるような存在感を発揮します。
- 自然な雰囲気の庭づくりに貢献:長年同じ場所で育つことで、庭に落ち着きと奥行きを与えてくれます。
宿根草・多年草のデメリット
- 花期が一年草ほど長くない場合が多い:一年草のように何ヶ月も咲き続けるタイプは少なく、見ごろの期間が限られることがあります。
- 植え付け場所をよく考える必要がある:一度植えたら長くそこにいるので、日当たりや水はけ、他の植物との相性などを慎重に選ぶ必要があります。
- 株分けや手入れが必要な場合も:株が大きく育ちすぎたら、株分けをして更新したり、枯れた葉を取り除いたりといった手入れが必要です。
そうなんです、私の大好きなオダマキも宿根草です。しかし、前回の記事でお話ししたように、宿根草でも寿命はありますし、日本の夏の高温多湿には弱いなど、気をつけるべき点もあります。「宿根草のはずが消えちゃった…」という体験談は、ぜひこちらの記事も読んでみてくださいね。
【衝撃】宿根草のはずが…?私が育てたオダマキが「突然消えた」謎を徹底解明!
「え、同じじゃないの?」一年草と宿根草、具体的にどう違うの?
改めて、一年草と宿根草(多年草)の主な違いを比較してみましょう。
成長サイクル
- 一年草: 種から芽が出て、花を咲かせ、種を残して枯死。このサイクルを約1年で完結します。
- 宿根草: 種から芽が出て、花を咲かせ、地上部は枯れるが根で冬越しし、春に再び芽吹き、また花を咲かせます。このサイクルを数年にわたって繰り返します。
冬の様子
- 一年草: 冬には枯れたり、成長が緩やかになります。
- 宿根草: 地上部は枯れますが、土の中の根や球根は生きています。春が来ればまた新しい芽が出てきます。
花壇の印象
- 一年草: カラフルで賑やか。季節ごとにガラッと雰囲気を変えたい時に最適です。
- 宿根草: 落ち着きがあり、ナチュラルな雰囲気。時間が経つにつれて深みが増し、庭に奥行きを与えます。
このように、それぞれの植物には、異なる魅力と特性があります。どちらが良い・悪いではなく、「どういう楽しみ方をしたいか」で選ぶことが大切なんですね。
超初心者さんにおすすめ!失敗しない植物選びの3ステップ
一年草と宿根草(多年草)の違いがわかったところで、いよいよ失敗しない植物選びのコツをお伝えします!次の3つのステップで、あなたの理想のガーデンにぴったりの植物を見つけてみましょう。
ステップ1:まずは「どこに植えたいか」を考える
まず最初に、植物をどこで育てたいかを具体的にイメージしてみましょう。
- 玄関前の鉢植え:鉢植えなら移動が簡単なので、季節ごとに一年草を入れ替えて、常に華やかな印象を保つことができます。実は、私の玄関前もまさにこのパターン!季節ごとに色とりどりの一年草を植えて、道行く人にも楽しんでもらえるように工夫しています。
- 庭の花壇:花壇なら、一年草と宿根草を組み合わせて、年間を通して楽しめるように計画できますね。
- 広い庭の片隅:日陰になる場所ならギボウシやクリスマスローズなど、半日陰を好む宿根草が良いかもしれません。
場所の環境(日当たり、風通し、広さなど)を把握することが、植物選びの第一歩です。
ステップ2:自分の「ガーデニングスタイル」を決める
次に、あなたがどんな風にガーデニングを楽しみたいかを考えてみましょう。
- 「毎年違う花で庭を彩りたい!」「常に新しいことに挑戦したい!」
→ 華やかで花期の長い一年草がメインのスタイルがおすすめです。毎年、新しい苗を選ぶワクワク感が味わえます。 - 「一度植えたら長く楽しみたい!」「手間をかけずに毎年花を咲かせたい!」
→ 落ち着いた雰囲気で、手間も少ない宿根草・多年草がメインのスタイルが向いています。時間と共に育っていく植物の姿を見守る喜びがあります。
どちらのスタイルも正解です。あなたのライフスタイルや好みに合わせて、自由に選んでみましょう。
ステップ3:育て方の説明書きを「しっかり読む」習慣をつける
園芸店で苗を買う時、苗についているタグやパッケージの情報を必ずチェックしましょう!
ここには、「一年草」か「多年草(宿根草)」かという情報が必ず記載されています。また、「耐寒性(どこまで寒さに耐えられるか)」「耐暑性(暑さに強いか)」「花期(いつ頃花が咲くか)」「草丈(どれくらいの高さになるか)」といった、育てる上で非常に大切な情報が詰まっています。
この情報を読む習慣をつけるだけで、植物選びの失敗は格段に減り、ガーデニングライフがもっと充実したものになるはずです。
まとめ:植物の「生き方」を知れば、もっと素敵なガーデニングライフが待っている!
今回は、ガーデニング超初心者さんに向けて、植物選びの基本となる「一年草」「宿根草」「多年草」の違いについて解説しました。
【今日のポイント】
- 一年草: 毎年違う花を楽しみたい人に。鮮やかで花期が長い。
- 宿根草・多年草: 一度植えたら長く楽しみたい人に。手間が少なく、年々見ごたえが増す。
- 植物の「生き方」を知ることが、失敗しない植物選びの第一歩。
- どこに植えるか、どんなスタイルで楽しみたいか、事前にイメージしよう。
- 苗のタグ情報をしっかりチェックする習慣をつけよう。
私が初心者だった頃は、植物を「物」として見ていたのかもしれません。でも、彼らには彼らなりの「生き方」があり、その生き方に合わせて、私たちガーデナーも接し方を変えてあげる必要があるんですね。
この違いを知ってからは、「枯れちゃった…」と落ち込むことも減り、それぞれの植物の個性やサイクルを受け入れ、もっと深くガーデニングを楽しめるようになりました。
皆様も、植物たちとの対話を楽しんでみてください。もっと素敵なガーデニングライフが訪れますように!



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